好きな表紙デザインの話
ライトノベルの売れ行きを左右する大きな要因として、表紙があるじゃないですか。
店頭の平積みで、通販サイトの写真で、SNSで流れてきてと、表紙買いとまでは行かなくとも第一印象に大きく関わる表紙。しかし、その表紙を構成するのはなにもイラストだけではないと。
イラストの他にも、タイトルがあり、サブタイトルがあり、著者名があり、イラストレーター名があり、そのフォント、サイズ、配置といった要素がある。
そういう表紙デザインの(特にタイトル配置の)話です。まあ、デザインに特別詳しいとかでは全くもってないですし、ただただ好みを語ります。
1.フレーム付きのタイトル
百聞は一見にしかずと言うことで、とりあえず2作品挙げてみますと、
・『文句の付けようがないラブコメ』著:鈴木大輔/イラスト:肋兵器
・『わたしの幸せな結婚』著:顎木あくみ/イラスト:月岡月穂
この2作品(わたしの幸せな結婚は未読ですが……)。こういったタイトルが枠に囲まれイラストから独立して、読みやすいデザインが好きなんです。特にフレーム内が透過されていない所がミソ。
更に、「文」の字のうろこ(呼び方が正しいかはわからない。4画目の始め)のついた明朝体もシックな色味のイラストや中身の語り口に合いますし、「わたしの」の行書系のフォントも和風シンデレラストーリーと聞く世界観に合いそうで良いですよね。
2.迫力のタイトル
・『スパイ教室』著:竹町/イラスト:トマリ
・『最果てのパラディン』著:柳野かなた/イラスト:輪くすなが
大きく、ドン!と置かれたタイトルの力強さが良いですよね。特に「スパイ教室」の文字の太く強い主張が良い。最果てのパラディンも同じ系統だなと思い、挙げてみました。
ライトノベルのタイトル長文化についてのお話を時折見かけますが、こういったデザインができるのはシンプルなデザイン故だな、と思ったりします。だからと言って、長文タイトル否定派と言うわけではないですが、シンプルなタイトルの強みの一つはここにある、と。
余談ですが、柳野先生が執筆を再開なさったと言うことで嬉しいですね。
3.片側に寄ったイラスト+余白にタイトル
・『灰と幻想のグリムガル level.10』著:十文字青/イラスト:白井鋭利
・『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか11』著:大森藤ノ/イラスト:ヤスダスズヒト
・『メイデーア転生物語1』著:友麻碧/イラスト:雨壱絵穹
この3作品(先の例と同じくメイデーア転生物語は未読ですが……)。思い返せば、そもそも富士見L文庫はラノベかという議論もあるな……。
閑話休題、この片側(上図の場合全て右)に寄ったイラストと、左に出来た余白の部分に配置されたタイトルがすっきりとした印象のデザインですよね。
実はこの記事を書いたきっかけのようなものが、2ヶ月ほど前に刊行されて表紙がお洒落だと話題になっていたファンタジア文庫の某作品でして、「確かにっ確かにお洒落だけど……、折角余白があるんだから、タイトルとイラスト被せたくなくない!?」と素人心に思っていました。
そういう点でも、この余白に配置されるタイトルが好きですし、そうでなくても、一定の空白があった方が見やすくなりやすいですよね。
また、これは表紙デザインというよりイラストの構図の話に近いですが、駆けるユメ、ベル、振り向くマキアの躍動感が感じられやすい気もして好きです。
以上。ここまで挙げた他にも、例えば、リゼロシリーズやグリムガルのENDGAME編、竜と祭礼などの表紙も好きなのですが、ある程度共通点のあるものを選出して話してみました。
皆さんのこれぞという表紙の作品がありましたら、ブログのコメントやTwitterのリプライで是非教えて欲しいです。喜びます。
それではまた。